かけつぎ(かけはぎ)
とは

かけつぎとは、衣類にできたキズや虫穴を、元に近い状態へ修復する技術のことをいいます。同製品の生地や糸を使用し手作業のみで修復していくため、非常に高度な技術が求められますが、数ある修理方法の中で最も綺麗に仕上がる方法だといわれています。職人の高齢化に伴いかけつぎができる人は年々減っており、全国的に貴重な技術となっています。
※かけつぎ(関西での呼び名)とかけはぎ(関東での呼び名)は同義です。

かけつぎ(かけはぎ)の方法

主に2種類の方法を使います

織り込み式(共糸を使用した方法)

  • before

  • 共糸(同製品の生地からほどいた糸)を、針を使って横方向に通します

  • 元と同じ柄になるよう縦方向に糸を通します

  • 糸を通している様子

  • 横糸と縦糸をすべて通し終わりました

  • 表に飛び出ている糸を切ります

  • 裏側に接着剤を塗ります

  • 裏側に接着芯(片面に接着剤がついた薄い布)を貼って完成です

  • after(裏面)

  • after(表面)

差し込み式(共布を使用した方法)

  • before

  • 共布をほどきます

  • ほどいて糸状になった部分を、針を使って表から差し込んでいきます

  • 2辺目も同様に差し込みます

  • 3辺目も同様です

  • 4辺すべて差し込みます

  • 表に飛び出ている糸を切っていきます

  • 裏側に接着剤を塗ります

  • 裏側に接着芯を貼って完成です

  • after

※製品の素材・状態によって仕上がりが目立つことがあります。

仕上がりが目立つ場合(一例)

  • ヒジやヒザの擦れ傷がある場合

  • 生地が薄く透ける素材

かけつぎ事例